平成25年度入選作品


【審査員総評】
 このコンクールも長年やっていますが、今回は全体的にまとまっていたように思います。氷室神社をはじめ、天理にはこういう神社があるのかというところも多く撮影されていましたし、天理のいい風景などいろいろなものが見受けられました。行事についても、私自身初めて見るものもあり、いい作品が集まっていました。

 デジタルカメラを使う人が非常に多くなり、デジタル写真が根付いてきた感があります。このことは、今まで以上に、シャッターチャンスが広がったという利点があります。これを活かすことで、もっと素晴らしい作品が出てくると思います。
 具体的には、場所や時間、光の具合。今までは、これはダメだと言われていた世界も撮影することができるようになり、そういった意味でも今までになかった世界の広がりがあります。単純に100倍広がったともいえます。
 挑戦する世界が増えたということで、今までにない表現世界がさらに出てくるのではないかと楽しみです。
 特に、「虫送り」のように、薄暗い夕方の撮影となれば、なかなかうまく撮れませんでしたが、これこそ、デジタルの世界であり、今以上に捉え方を考えられたらいいかと思います。

 また、プリント技術もよくなりました。
 しかし、一つだけ注意していただきたい点があります。感度を追い求め過ぎたり、色やコントラスト、鮮やかさを求め過ぎるといったきらいです。
 これも、一定の範囲を越えてしまうと、不自然さが出て嫌味になってしまったり、塗り絵のようになったりしてしまいます。やはり、『自然の中にある自然の光が一番素晴らしい』を基本にすることです。
 これからも、「カメラを通して表現する世界」を楽しんでいただきたいと思います
 






 特別賞
天理市長賞

三ツ井正之 氏  『五月の楼門』

 
【評】  今までにはなかったアングルであり、初めて見た感の作品です。  
新緑やつつじの時期の楼門をユニークな角度から捉えています。光具合もまったりした雰囲気で、色合いもよく出ています。
 落ち着いた作品に仕上がっていて、間違いなく市長賞です。
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 特選
天理市議会議長賞

阪口義一 氏  『惜春の朝霧』

【評】  洒落た写真といえます。花筏の中に、桜の花をチラッと入れた本当に作品的に素晴らしいものです。
 落ち着いた色合いで、申し分ありません。






天理市教育委員会教育長賞

岡田忠弘 氏  『黄金の社』

【評】  ローアングルで銀杏の落ち葉を手前に引きつけ、社を入れつつ、木から地面をしっかりと捉えています。
 また、木にスポットライトが当たっていて、ポイントになっています。
 いいシャッターチャンスであり、これを高い位置で撮るとあまりよくありませんが、銀杏の落ち葉をローアングルで撮られた神社の佇まいが良かったと思います。






天理市観光協会会長賞

松本常義 氏  『躍動流れる』

【評】 お祭りの動き、シャッタースピード、瞬間をうまく捉えている作品です。
 子供の飛び上がった瞬間、全体にブレるんではなく、子供の顔が止まり周りが動いた写真。
 うまく切り取って、踊っている人を大きくもってきた動きのある写真で、躍動感があり申し分ありません。
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 準特選
天理市商工会会長賞

岡田直文 氏  『光る水田』

【評】 虫送り、光と田、赤と緑の2色での構成、雰囲気が非常にいい作品といえます。
 虫送りの中で時間的なものが現われていて、また、田に張られた水がミラー効果を出しています。
 ただ、もう少し切るように光を捉えたり、光のあたたかさや新しい稲の早苗が伸びてくる生命感が出てくればよりいいでしょう。






天理市経済クラブ会長賞

松元利恵子 氏  『雪の夜都伎神社』

【評】 雪の夜都伎神社の萱ぶきの小さなお堂。全体のまったりとした色合い、コントラストの中に、山の中の古いお堂の雰囲気が非常によく出ていて、表現力がある作品といえます。
 ただ、左右の木で囲んで枠の中に入れてしまうのではなく、開放感を少しもたせることで、輝く雪の屋根の白さや明るさがもっと広がってくると思います。






天理ライオンズクラブ会長賞

西村康男 氏  『柳灯会』

【評】 灯篭、光そのものの写真であり、撮影技術は難しいです。
 灯篭に小さな文字が書かれているのがはっきり出ています。
 背景のろうそくの光や灯篭もいっぱい並んでいて、暗い夜にしっかり三脚を立て長時間露光をかけて生まれてきたんじゃないかと思います。
 ただ、惜しいのは、空のブルーと周りの黒いところ。大小の差はありますが、空間が少し欠けていて、もう少しシャドウ部のトーンが出てくればよりよくなるでしょう。
 





 
天理教教会本部賞

上島春雄 氏  『秋の銀杏通り』

【評】 天理の町の中で非常に綺麗な風景です。銀杏の木の美しさ、輝く黄色い光。
 行動的で生命の喜びを感じさせる黄色が町全体にあり、この町の活気や良さを表わしています。
 朝の光、左奥に見える市役所、直線の道路、東を向いて走っている車。非常にいきいきとした構図で、元気のでる写真です。
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石上神宮宮司賞

本田和博 氏  『神宮の番人』

【評】  非常に綺麗で雰囲気のある作品です。
 場所は石上神宮、そこに鶏、神官の朝のお参り。ここにしかないという、独自性のある環境を写し込んでいます。
 画面の中に、大きな動き、遠近感や環境感を捉えていて、背景の森の緑の濃さが爽やかさを全体に醸し出しています。
 ただ、状況は非常によく出ているのですが、見る人に何か語りかけてくれるものがあればよりよくなるでしょう。






長岳寺貫主賞

表 弘明 氏  『秋深し』

【評】  この作品を一目見て感じるのは、遠くのお地蔵さんに全体から放射状に集中していること。
 作品にはポイント集中点が必要ですが、この作品は、いい場所に設定にされています。
 画面の中に入ってみたいと感じさせるような空間を、実際に見ている人が、佇んで、作り上げ表現していますが、画面の中にあるそれぞれの素材が臨場感を表現し趣きの深い作品なっていると思います。
 上の方を少しカットしてカメラを下に向けると、冷たさや暖かさを肌で感じる作品に近づくでしょう。






大和神社宮司賞

田辺弘年 氏  『射る』

【評】 シャッターチャンスとしては、非常によく考えて捉えられたいい作品です。
 ただ、行事の全体的な捉え方は出きているのですが、放たれた矢を丁度うまく撮ってあるのにも関わらず、それがかえって弱くなってしまったように思います。
 もうちょっと、フレーミングを絞り込んでいった方が、作品として面白くなったでしょう。行事そのものの説明に走りすぎたようで、そのことが、下の白砂の部分や空の部分であったり、無駄な空間を作ってしまったようです。






和爾下神社宮司賞

南本 健 氏  『早春の山の辺の道』

【評】 山の辺の春の柔らかい光が非常にうまく捉えられています。
 小さい子供さんとお母さんの雰囲気もそことなく出ていて、影も春の陽光を感じさせ、梅の花も爽やかによく捉えられている作品といえます。
 スナップ的でもありますが、風景写真としてもいい角度でシャープであり、ピント、露出ともよく素晴らしい作品です。
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天理大学長賞

藤岡秀規 氏  『夏の訪れ』

【評】 全体の構造も非常によく考えて捉えられた作品です。
 光があったので、紙吹雪もよく出ていて、シャッターチャンスを掴んでいます。
 下の石のゴツゴツした感じであったり、上の緑の木々の面積の多さであったり、もう少しフレーミングを絞ってもいいかと思います。
 また、いい作品ではありますが、桃尾の滝の全体を捉えることと、神事そのものを捉えることが、二兎を追うものになってしまっていて、迫力に欠けてしまったのではという感もあります。






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