ホーム ホーム >  昔ばなし > 八つ岩
今も残る天理の 昔ばなし

八つ岩

 長滝(ながたき)(ちょう)の林道の山奥深い布留川(ふるがわ)の源流となるところに、大きな岩があります。

 この岩を「八つ岩」と称し、石上神宮の奥の宮として(あが)められています。

 その由緒をたどると、「むかし、出雲の国の肥の川に住んでいた()(また)大蛇(おろち)は、一つの身に八つの頭と尾とをもっていました。素戔嗚(すさのおの)(みこと)がこれを八段に切断して、八つの身に八つの頭が取りつきました。八つの小蛇となって天へ昇り、水雷神と化しました。

 そして、天のむら雲の神剣に従って大和の国の布留川の川上にある日の谷に臨み、八大竜王となりました。今そこを「八つ岩」と言っています。

 天武天皇のとき、布留の物部(もののべの)邑智(おおち)という神主がいました。ある夜夢をみました。八つの竜が八つの頭を出して一つの神剣を守り、出雲の国から八重雲にのって光を放ちつつ布留山の奥へ飛んできて山の中に落ちました。

 邑智(おおち)は夢に教えられた場所に来ると、一つの岩を中心にして神剣が刺してあり、八つの岩は、はじけていました。

 そして一人の神女が現れて、「神剣を布留社(ふるしゃ)高庭(たかにわ)にお(まつ)りください」といいました。「そこで布留社の南に神殿を建てて祀ったのが今の出雲(いずも)(たけ)()神社(じんじゃ)(若宮)である。」といういわれが残っています。



ページの先頭へ