2017

平成29年開催


全体講評

今までのコンテストでも天理の風景作品が多かったのですが、その中でも今回は、ちょっとものの見方の違う、光とそのものをモチーフというか世界を捕まえる目の違いというのが現れていて、非常にユニークな作品が揃い、目を見張る内容になったのではないかと思います。

特に特別賞の作品など、非常に甘い感じの色合いとトーンでできていますが、何といっても作者の努力の結果ではないかと思います。これだけの色合いとそれを結果に残す、現実的にはちょっとつくられたものではないかと思わせるほどのものがあります。これは、創作能力の強い、そういう見方の人の作品であるといえます。

全体として、今はデジタルカメラで撮られること、それから自分で編集されることが多いと思いますので、その点、自然さがちょっと欠ける可能性があります。どうしても、見た目に強い写真にしようと、コントラスト、それから色目というか彩度の強さ、それを強調して作品に仕上げようとするところが見えてしまうので、あまり見えないように自然な感じを出すことが写真としての力をより強くするのではないかと思います。

作品全体を見ますと、強いポイントをしっかりと見て撮られています。それだけに変な強調をすると失敗してしまう可能性もあるので、ほどほどというか、その辺りは考えてしてもらうと、もっとリアルな力強い作品になると思いました。

作品が人に語りかけるのはコントラストです。作品のテーマとしてのコントラストもあれば光のコントラストもあります。それをうまく扱うという技術が大事なところであり、それによって見せています。コントラストをコントロールすることによって表現力を強くしたり弱くしたりし、そのもの自身の味を出し、表現力も変えていくというところが、写真家、表現者としての技術ということかもしれません。

今回のフォトコンテストにも多くの素晴らしい作品が集まりました。

みなさんの今後のさらなるご活躍を期待しています。

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