ホーム ホーム  >  散策コース >  いにしえの歌碑めぐり > 13. 天理図書館前の顕彰碑

ここが見どころ 観光スポット

13. 天理図書館前の顕彰碑

【建立】 石上宅嗣卿顕彰会

場所

杣之内町、天理大学附属天理図書館

作者

出典

詠み

石上朝臣宅嗣卿顯彰碑

石上朝臣宅嗣卿ガ奈良朝ノ晩季宝亀年間ニ方リ平城京ノ一隅ニ創立セシ芸亭院ハ我国公開図書館ノ権典トセラル卿名族ニ出デ父祖共ニ国史ニ顯ハレ且文学ノ誉アリ卿儀容閑雅経史ヲ尚ビ山水ニ親ミ詩歌ヲ能シ書道ニ達セリ和歌ハ万葉集二録セラレ詩賦ハ経国集等二存ス又仏教ヲ篤信シ其旧宅ヲ捨シテ阿?寺ヲ営ミ寺内特ニ外典ノ院ヲ置キ名ケテ芸亭ト云ヘリ好学ノ徒ハ出入シテ自由二図書ノ閲覧ヲ聴ルサレ読書ノ傍兼ネテ塵世ヲ超越シテ修養ノ静境タラシム恵沢ヲ被ムリテ著ハレシ者ニ賀陽豊年等アリ惟フニ金沢氏ノ文庫設立ヲ遡ルコト約五百年而モ卿ガ徒二典籍ヲ収蔵スルニ止メズ弘ク之ヲ公衆ニ開放シテ利用ヲ奨メタル一事ハ近代以前殆之ヲ見ル能ハザル所ニ属シ真二本邦上世文化史上ノ異彩ト称スベク且東西図書館史上ニ特筆スルニ足レリ惜ムラクハ人去ッテ跡穢レ存立僅ニ数十年ニ至ラズ平安朝初期以降其院廃スルコト既二久シク遺址ノ明ニ究メ難キヲ憾メリ是ニ於テカ芸亭ヲ表彰セムト欲スル者仮二石上氏発祥ノ地ヲ選ビテ碑ヲ建テ宅嗣卿敬仰ノ意ヲ致サムトスル亦止ムヲ得ザルニ出ヅ按ズルニ石上氏ハ神別物部姓ノ流ヲ汲ミ饒速日尊ノ後裔宇麻志摩治命ヲ祖トシ古ク石上神宮ノ西辺ニ住シキ今其旧跡ヲ察スルニ天理図書館新営ノ処ヲ隔ツルコト遠カラザルニ似タリ卿此土ニ起リテ官ハ大納言兼式部卿ニ上リ晩年桓武天皇東宮二在ハシシ頃其伝タリ位ハ正三位ニ進ミ天応元年六月薨ゼシ時詔シテ正ニ位ヲ贈ラレヌ即今茲昭和五年ヲ去ルコト殆千百五十年前トス蓋其生誕天平元年ヨリ算スレバ本年ハ正ニ千二百年二当レリ是ヲ以テ本県図書館ノ従事者愛護者等相共ニ首唱シ広ク之ヲ遠近各地図書館員並ニ日本図書館協会ニ計リ協心戮力芸亭記念ノ業ヲ企テ以テ卿ノ徳沢ヲ鑽仰セムトス而シテ首唱者撰碑ノ事ヲ予ニ嘱セリ予詞章二嫻ハズト雖卿ヲ欽慕スルコト甚深シ乃通俗ノ一文ヲ草シテ普及ニ便ニス
皇紀二千五百九十年八月 京都帝国大学図書館長 文学博士 新村出撰文
                 寧楽             史邑    辻本勝己書
                                   (碑の前面)


                    昭和五年十月十八日
                    石上宅嗣卿顕彰会建立 (碑の背面)

意味

【建立】 石上宅嗣卿顕彰会

ページの先頭へ