ここが見どころ 観光スポット
とうだいじやまこふん東大寺山古墳
中国の年号銘を象嵌した大刀が出土した古墳
古墳の築造は古墳時代前期後半で、4世紀後半の前方後円墳です。規模は全長約140m、後円部径約84m、高さ約10m、前方部幅50mを測ります。
この地域では最も古く、そして最も大きな古墳で、「ワニ」氏の有力者が葬られた古墳と考えられています。
昭和36(1961)年、天理大学による発掘調査で埋葬施設が見つかりました。埋葬施設は盗掘を受けていましたが、残った部分や周囲から、家形の飾りを付けた環頭大刀・金象嵌が施された大刀・剣・刀・槍・勾玉・鍬形石(くわがたいし)・車輪石(しゃりんせき)など多数の遺物が出土しました。
これらの品々は現在、重要文化財に指定され、東京国立博物館に所蔵されています。
参考文献:奈良県立橿原考古学研究所編 2001 「大和前方後円墳集成」
ルート
JR櫟本駅から東へ進むと国道169号線に出ます。信号を渡って国道沿いを左(北側)へ60m程進むと、派出所のある交差点に至ります。ここを右(東側)へ進むと天理教城法(しきのり)大教会の門が遠くに見えます。東大寺山古墳はこの大教会の奧に所在します。見学の際は、大教会の方に声をかけて見せて貰いましょう。
周りの環境
古墳は名阪国道に沿う北側の東大寺山丘陵西端に所在します。古墳の現状は竹林です。墳頂までは教会の方によって竹製の階段や手すりが設けられており、容易に行くことができます。
ポイント
出土遺物の中で特に注目されるものに、金象嵌の大刀があります。
この刀には背に24文字の銘文があり、「中平口年五月丙午造作(支)(刀)百練清剛上応星宿(下)(辟)(不)(祥)」(口は文字不明、かっこ内は推定)の文字が金で象嵌されています。「中平」とは中国、後漢末の年号(紀元184~189年)です。銘文から「中平」年間のいずれかの年に、中国で作られた刀であることが判りました。
中国で作られたこの大刀は、その後、日本へもたらされ、そして200年後にこの古墳に副葬されたものと考えられます。
渡来後、しばらくは大切に扱われたはずですが、埋葬時はそうではなかったようで、多くの鉄刀と共に副葬されていました。
渡来から副葬に至るまでこの大刀がどう扱われたのか、中国・後漢と大和王権、そしてワニ氏との関係も含めて、大変、興味の持たれるところです。
アクセスデータ
エリア | はにわの里コース |
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所在地 | 櫟本町高塚 |
入館料 | |
駐車場 | あり (天理教城法大教会の敷地内に有り) |
休憩所 | なし |
トイレ | なし |
問合先 | |
WEB |