上街道コース
宿場町と城下町を結ぶ路
近世の街道筋を歩きます。
宿場町の櫟本町と丹波市町、織田家の城下町だった柳本町を結ぶルートです。
途中、市座神社・松尾芭蕉の句碑が残る藤の棚・天理教教祖誕生殿・大和神社・五智堂・黒塚古墳などがあります。
コース紹介
近世の幹線道である上街道は、古代から続く上ッ道(かみつみち〉がやや西に位置を変えて利用された道でした。この道は、北は奈良坂から南は桜井、山田道を経て藤原京に至る幹線道路のひとつでしたが、やがて初瀬詣でや伊勢参りの人が行き交う信仰の道となります。その面影は今でも街道筋のあちこちで見ることができます。
能「井筒」の舞台になった在原寺跡、松尾芭蕉が句を詠んだ藤の棚、「ヤマト」の語源にもなった大和神社など、見どころもいっぱいのコースです。
JR櫟本駅
和邇下神社
在原神社
大和神社
史跡黒塚古墳
JR柳本駅
区間 | 距離 | 所要時間 |
JR櫟本駅~JR柳本駅 | 10.7km | 2時間55分 |
発見コラム
井筒物語
伊勢(いせ)物語に題材をとった世阿弥(ぜあみ)の夢幻能の傑作「井筒(いづつ)」。その舞台となったのがここ在原寺(現在原神社)です。
平安時代の歌人であり美男子として知られた在原業平(ありわらのなりひら)が、紀有常(きのはりつね)の娘と居を構えたところと伝えられ、芭蕉(ばしょう)も、旅の途中この地に立ち寄っています。
筒井筒(つついづつ) 井筒(いづつ)にかけしまうが丈(たけ)すぎにけらしな妹(いも)見ざるまに
伊勢物語
幼なじみのふたりが背丈をくらべた井筒も、年を経て昔の物語となった。
魂だけになった今も、女は業平を慕い、男の直衣(のうし)をまとって謡(うた)い舞う。水鏡(みずかがみ)に映る姿に、懐かしい男の面影を追い求めて。
寺は廃されてささやかな神社となり、世阿弥がえがいた永遠に変わらぬ愛の物語の舞台をしのぶよすがも今はありません。
境内にわずかに残る井筒と夫婦竹(みょうとだけ)にその名残を見ることができます。